
人生は、選択の連続です。むしろ、選択から成り立っていると言っても良い。
・晩御飯のオカズは何がいいかな
・昨日合コンで会った人から連絡が来たけど、スルーしようかな?返事、返そうかな?
・赤信号になっちゃったけど、急いでいるから渡ろうかな?辞めようかな?
こうした、日常の数々の選択や判断基準になっているのが、無意識的な
マインド
です。「価値観」や「観念」「ビリーフ」「思い込み」とも言ったりします。
こうした、マインド(価値観)は、私たちが生まれて育つ中で、沢山の体験や経験、教育、しつけ、他人(主に親)の言葉・反応・態度などを通じて育まれていきます。
そして、特に幼少期の経験・体験などから、価値観や信念、常識、偏見、倫理観などが、潜在意識に蓄積されていき、いわば「心のマイ・ルール」とも言うべきものになっていきます。
言わば、心に書き加えられた「プログラム」と言っても良いでしょう
この思い込みは、人によって全くバラバラで異なり(だから「価値観が合わない」という理由で別れたり、喧嘩になったりします)、また私たちの中に数千、数万あるとも言われています。
そして、私たちはその「マインド」に従って、日々を生きています。
こうしたマインドの中には、長年に渡りつみ重なり、様々な出来事を通じて強化され、習慣化し、「心のクセ」とも呼べるものまで成長したものもあります。
そうした「心のクセ」の中で、「今のアナタにとって、行動や思考・感情などに悪影響を及ぼすもの」を
「メンタル・ノイズ」
と呼んでいます
例えば、幼少期にしつけや教育が厳しく、なんでも完璧にこなすように求められた人は、「完璧主義ノイズ」を持っているかもしれません。そして、「なんでも完璧にこなさないといけない」というノイズによって、物事がうまくいかない時に過度に落ち込んだり、失敗を恐れるあまり、何かチャレンジする時に躊躇してしまうかもしれません。
また、なんでも自分を差しおいて、他人を優先する、「他人ファーストのノイズ」を持っている人は、周りからは「いい人」「優しい人」のように思われつつも、自分は自己犠牲的なあり方に疲弊して、「なんだか自分のために生きていない」感覚を抱いている場合も多いです。
こうした「メンタル・ノイズ」は、心の無意識の領域に根ざすものであり、また長い時間をかけて自分の一部となっているため、多くの人は、自分がそのような「ノイズ」を持っていることに気がつくことは、ほとんどありません。
そのため、
「なんとなく生きづらさを感じる」
「いつも同じパターンの問題や悩みが、人生にあらわれる」
「なぜだかわからないけど、そうしてしまう」
と言った、自分が望まない出来事や悩みの原因となっていることが少なくないのです
ノイズから生まれる「反応のタネ」とは?
また、こうした「メンタルノイズ」は、たくさんの「反応のタネ」を作ります
「反応のタネ」とは、ある出来事や事柄、外界の情報などに対して、「自分がどのような反応をするか」の「タネ・種」となるものです
例えば、先ほどの「完璧主義ノイズ」を持っている人は、「なんでも完璧を目指して行うのが正しい」「きっちり、しっかりこなすことが正解」と常日頃から思っているため、仕事をサボる部下やゆっくり進める同僚( = 外界の情報)に対して、怒りの感情が湧くかもしれません。
また、「他人ファーストノイズ」を持っている人は、「いい人でいなくてはならない」という想いから、何か自分に至らぬ点があると思うと、自己否定や自己嫌悪感を感じがちです。
こうした「反応のタネ」も無意識的なものなので、自分では気がつくことなく、またほぼ自動的に、自然にそのような反応をしてしまいます。それが、その場面で適した反応、良い反応であれば良いのですが、人によっては、その反応によって悩みが生じたり、人間関係がこじれたりしてしまいます
例えば、完璧主義ノイズが強すぎると、自分にも周りにもそれを求めるため、ハードワークで健康を崩したり、会社で孤立することもあるかもしれません。
「全てのメンタルノイズ」が悪いわけではない
ここで注意が必要なのですが、こうした「メンタルノイズ」を作る、「マインド」「心のクセ」は、全て悪いものかと言われれば、そうではありません。
適切な場面、適切な状況で発揮されれば、その人の才能や価値にもなります。
例えば、先ほどの「完璧主義ノイズ」は、「きっちり仕事を仕上げる」「レベルの高いものを生み出す」という、職人やアーティスト、クリエイターの世界では、きっと役に立つでしょうし、「他人ファーストノイズ」も、サービス業やボランティア、福祉の世界では、他の人には行き届かない部分も気がつくことができるかもしれません。(あくまで自己犠牲にならない範疇ですが・・・)
「メンタルノイズ」とは、あくまで、その人にとって
現状、困っている。悩んでいる
悪影響がある
ものであり、まさしく「ノイズ」なのです。
したがって、カウンセリングの際も、それが、その人の人生において才能や価値などのメリットになっている場合では、あえて「触れない」「消さない」「ゆるめない」ようにするノイズもたくさんあります。
「メンタルノイズ」はどこから来たのか
さて、こうした「メンタル・ノイズ」ですが、その発端は、私たちの幼少期にあります。
アメリカの精神科医、エリック・バーンによれば、おおよそ6~7歳くらいまでの間に、そうした「ノイズ」が作られると言われています。
(もちろん、それ以上の年齢で作られるノイズもあります)
幼少期の私たちは、親や家族、友人・知人、地域社会などの環境から様々な影響を受けます。そして、沢山の経験を通じて、私たちは心の中に、様々な「プログラム」を書き込んでいくのです
こうして書き込んだ「プログラム」は、その後の生活や体験によって強化されると、「自分のマイ・ルール(価値観や信念、常識、偏見、倫理観)」になっていきます。そして、その「ルール」に則って生きようとするのです。
例えば、
・赤信号で渡ろうとすると怒られた → 「赤信号は渡ってはいけない」と何回も言われた(強化) →赤信号は渡ってはいけない
・近所の犬に吠えられた → すごい怖い思いをした(強化) → 犬は怖い(犬が苦手)
・親が借金取りに追われていた → いつも怖い人が家に来て怖い想いをした → なんとなくお金を稼ぐことが怖い
など、私たちには様々な「マイ・ルール」があり、それが「心のクセ」となり、「ノイズ」となっていきます。
また、幼少期は「自我」がそれほど発達してないので、謎の、想像・妄想・勘違いによっても「マインド」「マイ・ルール」が作られてしまいます。(先ほどの例の近所の犬も、シベリアンハスキーのような大きな犬でなく、チワワだったかもしれません)
言わば「自分が、(勘違いによって)自分で作り上げた、心のプログラミング」であり、だからこそ、カウンセラーの手を借りながらも、「自分で外すことができる」のであり、逆に「自分でしか外せない」のです。