こんにちは
村松 勇雄です
依存・自立・相互依存シリーズ
今回は依存についてお話しします
依存は、僕たちの心の成長における、最初のプロセスです。
注意してお行きたい点は、
「依存」と聞くと、なんとなく、嫌なイメージを持ちがちですが、
:「依存」は人生や生活、人間関係などあらゆる面において、僕たちの誰もが通る道だということ。最初はみんな依存から始まります。
:「依存」そのものは、一つの「あり方」であり、それ自体に、「優っている、劣っている」、「正しい、正しくない」、「合っている、間違っている」という見方はありません。
ただ、「そういう段階にいる」というだけです。
:また人の心は、そう単純に割り切れるものではなく、僕たちの心は依存や自立の間のいくつかのステージに跨っていたり、行ったり来たりしたり、直面する人間関係や状況、環境において、ある場面では自立、ある場面では依存という形をとったりします。
例えば、会社において、後輩を指導する先輩という立場においては、自立的な立場であるのに対し、上司との関係においては、仕事を教えてもらう依存的な立場である場合など(その上司に「そろそろこの案件、一人でやってみるか?」と言われた時は、依存的でありつつ自立的なステージでもあると言えるでしょうか)です。
さて、依存のステージにいる時、僕たちは
「自分一人ではできない」
「他人や状況に頼らないとできない」
状態にあります。
人生においては、おぎゃあと生まれてからは、両親や誰か他の大人の世話になって生きなくてはなりません。
また、会社では新人のとき、習い事でも初心者の時などにおいても、誰か上の人や、自分より出来る人に教えてもらい、「自分でできるように」成長していきます。
また、恋愛関係やパートナーシップにおいても
・デートの行き先はいつも相手に決めてもらう
・いつも私のほうから「会いたい」と言って、相手の返答待ち
など、パワーバランス的に相手に「任せる」「頼る」「相手軸」などの時は依存的立場であるとことが多いと思います。
(ただ「相互依存の場合もあったり、気分によっても変化したり、一概には言えません。)
このような依存のステージの時、僕たちには様々な要求、欲求、すなわち「ニーズ」が出てきます。「あれしてほしい、これしてほしい、もっとこうだったらいいのにな」という感じですね。
・もっと遊んで欲しい
・優しくして欲しい
・もっと、理解して欲しい
・今の仕事、もっと休みがあったらなぁ・・・
・彼ったら、いつにになったら結婚してくれるの?(=「結婚する」と言ってほしい)
・今、流行っているゲームが欲しい
などなど。
まー、例を挙げたらキリがありません。
僕たちは欲求の生き物なので、様々なニーズが出てくることは、仕方のないことです。神様じゃないんだからね。
また、この段階では様々な「怖れ」も強く出ます。
・ちゃんとできるかな
・失敗しないかな
・私を傷つけたりしないかな
・拒絶されたりしないかな
などなど。
知らないもの知らないことが多く、自信がなく、自分は不十分であり、経験もなく、相手を失望させないかという心配な想いがある分、この怖れが出てきます。
ところが、自分の要求、欲求通りにこのニーズが満たされれば良いのですが、多くの場合において、「裏切られる」ことがあります。
・もっと遊んで欲しい
→ 「忙しい」と言って、遊んでもらえなかった
・優しくして欲しい
→ なぜか知らないけど、ぞんざいな扱いをされた
・もっと、理解して欲しい
→ 理解してもらえなかった
・今の仕事、もっと休みがあったらなぁ・・・
→ 相変わらずブラック企業。
・彼ったら、いつにになったら結婚してくれるの?(「結婚する」と言ってほしい)
→ 結婚の話をしてもはぐらかされる
・今、流行っているゲームが欲しい
→ 「うちにはそんな余裕はない!」と言われ、買ってもらえなかった。
などなど
そうすると、僕たちの心は、傷つきます。=「ハートブレイク」が起こります。
およよよよ・・・・
ハートブレイクが起こると、僕たちの脳は、次にその理由を勝手に探し始めます。
・ああ、やっぱり私は大切にされていないから
・やっぱり、僕は理解されない。なぜなら・・・・
・やっぱり、私には価値がないから
・やっぱり、自分じゃダメだから
・やっぱり、私は愛されていないんじゃないか。・・・だから
というふうに。
特に、幼少期における両親との間で起きたハートブレイクは、その後の人生において、大きな影響を及ぼします。子供は心が真っさらな分、信じやすいし、思い込みやすいからね。
でも、大切なのは、多くの場合において、それが
すげーーーー勘違い
すなわち、思い込み、誤解である可能性があります。
(ま・・・もちろん、それが誤解でないこともあるんだけどさ・・・・)
だから、本当に大切なのは、ここで、ちゃんと相手のことや気持ち、、状況などを
「理解」
することが、めちゃくちゃ大切になるんですけど、
そんなことに気づくことも、そんな機会もなく、
「ハートブレイク」して、傷つき、様々なことを「誤解」したままであることが多いのです。
ここ、試験に出ます。
こうした「ハートブレイク=傷つく」は様々な心的態度を僕たちの中に生み出します。
:「罪悪感」「無価値観」
自分には価値がない。自分が悪い。自分は無力である。自分はダメで、ちっぽけで、取るにたらない存在だという感覚。
罪悪感や無価値観は、同時に「補償行為=自分が悪い、価値がないと思っているので、埋め合わせしようとする」や「犠牲」を生みますが、自己攻撃的であり、やればやるほど、自己否定や自分いじめにつながります
:「分離感」
拒絶され、自分は受け入れられない、望まれてないと感じるため、他者との間に「溝」をつくります。怖れを感じるため、自分も他者を拒絶し、その結果、「孤独感」や「繋がりがない感覚」が生まれることもあります。
:「復讐心」
分離感があり、自己攻撃が他者にも「投影」されるため、「私のこの状況はあなたのせいだ!」「そっちが拒絶するなら、こっちも拒絶してやる!」という、攻撃的な復讐心が生じることがあります。
こうして、大なり小なりのハートブレイクが起きると、様々な想いを抱えながら、僕たちは、傷つくことを怖れて、また自分を防衛するためその対処をしようと、
「もう二度と、こうならないように」
「こうした状況をさけるために」
「こんな想いをしないように」
↓
「自分でやる」
「一人で頑張る」
「人に頼らない」
「自分だけでもできるようにする」
と自立の方向に成長していくことになります。
成長??
そう。他者や状況の力を借りず、自分でできるようになる、やれるようになとるというのは、立派な成長でもあるんです。
ただ、その自立心の下には、癒されない、ニーズの裏返しとも言えるハートブレイクや傷ついた心が眠っていることが多く、これが、次の自立の段階で、問題を引き起こすケースがめちゃくちゃ多いのです。
こわーい。
また、原因となったハートブレイクや傷ついた出来事やその時の感情などは潜在意識の奥底に眠っているので、遠い出来事で忘れていたり、そもそも、誤解したことは、そのままその人の「観念」「思い込み」「ビリーフ」になっていることも多いので、それに気づかないことがほとんどです。
なので、「彼氏ができないこと」をカウンセラーに相談しに来たのに、
「あなたに彼氏が出来ない原因は、ご両親との関係があるかもしれません」
という、イキナリな見立てに
「はぁ〜?そんなこと関係あるの?このカウンセラー、バカなの?」
と感じる方も多くいるということが起きてしまうわけです。
ま・・・そう思われるのも、無理ないんだけどね・・・・。
ただ、潜在意識の領域は僕たちの普段の生活や人生に、莫大な影響を与えるので、この部分を分析することで、お悩みや問題解決に役立つことが多くあります。
だから、「今の話を聞きに来たのに、過去について聞かれる」などと言うことがあっても、
「ふーん、ま、そういうこともあるのね」
と、お答えいただければ幸いです。
さて、そんな風にして、自立んステージに向かった僕たちには、何が待ち受けるのでしょうか?
その前に、相手と自分、どちらかが自立・依存という形式を取らず、どちらも「依存」の立場にある状態、「共依存」について見ていきたいと思います。
では、今日はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Salut !!